駒ヶ根共立クリニックは、患者様の足をお守りするために、フットケアや人工炭酸泉による治療に取り組んでいます。中心的な役割をしている看護師の今井典子さんと看護助手の高橋裕子さんに活動内容をお話ししていただきました。
(3)患者様との信頼関係があってこそ、フットケアが出来る
−フットケアを拝見しました。観察だけでなく爪の処理などもされていました。
(今井さん)
巻き爪などがあったり、ご高齢の方では爪切りができなくて傷になってしまう場合もあるので、爪切りは大事です。
厚くて普通の爪切りでは切れないような場合もあるので、専用のハサミを使うこともあります。
−傷の発見というのは、普段私が思っているよりも重大なことだと感じました。
(今井さん)
糖尿病の疾患がある方は、巻き爪や深爪で傷になってしまうと傷の治りが悪くなってしまうこともあります。
化膿してきたと思ったら、あっという間に壊疽に進んでしまい、悲しい思いをする時もありますので、傷がある時は通院する都度、必ず見せて頂くようにしています。
−患者様の信頼があるからこそ足を見せてもらえる。フットケアの技術があるだけでは、フットケアはできないのですね。
(今井さん)
最近はフットケアで足を見せることを嫌がる方はいらっしゃらないです。地道な活動の成果だと思っています。
(高橋さん)
私たち看護助手に「だいぶ爪が伸びたから、看護師さんに頼んでくれる?」と、患者様の方から仰って頂くこともあります。
患者様からの信頼が厚いのだと感じます。
−爪を切ってもらうと気持ち良いのかもしれません。
(高橋さん)
フットケアを受けると、とてもスッキリされるようですね。
−自分のことを考えると、生活の中で足を意識することはないですね。
(高橋さん)
先日も偕行会グループでの足の勉強会があって、患者様の間でも話題になっていました。
患者様の中でしっかりと意識を持ってくださっていることを感じます。
(今井さん)
多くの方は足への意識がほとんど無いかもしれませんね。
転院してきた患者様の足を初めて見た時に、どこから手をつけていいのか悩むほどの爪の状態の方がおりました。この状態でどうやって靴下を履いて、靴を履いて痛くないのかと思いました。
靴下を脱ぐと乾燥しガサガサになっていて、皮膚燐が靴下の中からボロボロボロって落ちてきました。
糖尿病になると視力も悪くなっているので、ご自分では見ることができなかったのかもしれません。
−感覚が鈍くなって視力が衰えてしまうと、ご自分では気が付くことができない。だから医療スタッフの皆さんが気が付くことが大事なのでしょうね。
(今井さん)
「足は痛くないですか?」と質問しても「何も痛くない」と仰います。
低温火傷をしていても、気付いていなかった方もいました。
(高橋さん)
靴下を見ると出血していて、それでも気が付かないという方もありました。
(今井さん)
ホームページを見て、フットケアというものをやっていると知って、転入して下さった患者様もいらっしゃいます。
フットケアということを、もっとたくさんの方に知って頂けたらと思います。
−意識を持つことによって、足が良くなり、すこやかな生活に繋がっているのでしょうね。今日はありがとうございました。
(今井さん、高橋さん)
ありがとうございました。
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