大学病院で腎臓、血液、消化器、循環器を専門としていた河野啓一先生が、駒ヶ根共立クリニックの院長になりました。日々の治療についてお考えになっていることをお話ししていただきました。
(3)患者様もスタッフも前向きで向上心が高い駒ヶ根共立クリニック
−偕行会グループさんは方針の1つとしてチーム医療をあげていらっしゃいます。先生ご自身は、スタッフの皆さんとどのようにお仕事をしていきたいとお考えですか。
(河野院長)
チーム医療はとても大事なことですね。
そのためには、私自身も医師としての仕事をしっかり、きっちりやらなくてはいけません。
その上で、あまり画一的に「これは誰々がやることだから」と職種間で線を引かないように気を付けています。これは技士さんの仕事、これは看護師さんの仕事と分けてしまってもうまくいかないです。
チーム医療をすれば、医師のワンマン体制にはならないですし、チーム全体で行っていることで人為的なミスも少なくなっていると思います。
−駒ヶ根共立クリニックのスタッフの良い点は何ですか。
(河野院長)
一番は、すごく勉強をしている所です。本当に、いろいろなことを知っていますよ。
ベテランになってくると勉強への意欲が落ちる傾向がありますが、ここのスタッフにはそういう心配はないですね。向上心が高いです。
そして、患者様も向上心が高いですね。
−患者様も・・・というのは。
(河野院長)
ご自分の体調はこの程度でいいということでなく、もっと良くなりたいと思っていらっしゃいます。
それだけでなく、お家で楽しく生活をする、旅行も行きたいなどの希望をもって、治療や日々の体調管理をがんばっていらっしゃいます。
透析治療自体も現状にとどまらないで、新しいことをどんどん取り入れる意欲もあります。
スタッフのやる気の高さが、よい形で伝わっているのだと思います。私はすごく助かってます。
−医師としてはやりがいがありますね。
(河野院長)
そうです。やりがいがありますよ。
−透析専門クリニックの治療の中で、今、一番興味をもっていらっしゃるのは何ですか。
(河野院長)
今は、スタッフが一生懸命に取り組んでいるフットケアですね。
足を大事にしましょうということで、私も医師の立場で一緒に取り組んでいます。
それから、ここは高齢の方が多いので骨についても興味をもっています。
高齢になると骨がもろくなるのですが、腎臓が悪い方の場合は、さらに骨がもろくなります。
足腰が痛くなるだけでなく骨折までしてしまう危険もあり、そのような方々へもっと良い治療をしていくことを課題の1つとしています。
合併症全体についても興味をもっています。
−なぜ興味をもったのですか。
(河野院長)
まず、駒ヶ根共立クリニックは、透析治療そのものについて、学会でも推奨されるようなレベルで治療が行われているというのが前提にあります。
透析治療がかなり高いレベルで行われていますので、患者様の困っている部分、つまり合併症にも目を向けることができます。
−なるほど。透析治療がままならなくては、目を向けられませんね。
(河野院長)
そうです。
そして、透析治療を受けている患者様は、さまざまな合併症をお持ちです。
その中で、特に足の血のめぐりが悪くなっている、骨がもろくなっている所に着目しました。
合併症が少なければ、患者様にとっては体が楽ですし、アクティビティ(行動力)が高くて、元気で長生きしていただけると思います。
ですから、合併症対策はとても大事なことだと思います。 |