やさしい笑顔で患者様に話しかけている姿が印象的な浦野久子さんにお話をうかがいました。
(1)患者様にとって”あったかい透析室”にしたい
−こんにちは。よろしくお願いします。
(浦野さん)
こんにちは。よろしくお願いします。
−浦野さんは看護師さんになって何年ですか。
(浦野さん)
23年ぐらいです。3年ほど総合病院で働いた経験はありますが、その他はずっと20年近く透析医療に携わってきました。
−透析施設で働く魅力は何ですか。
(浦野さん)
奥が深いことですね。
−奥が深い。
(浦野さん)
透析施設で働き始めた頃、私が透析治療にもっていたイメージというのは、血液を人工腎臓できれいにして無事帰るという程度にしか思っていませんでした。
−浦野さんにとって身近に感じる治療ではなかったのでしょうか。
(浦野さん)
そうですね。学生の頃は透析治療について勉強する機会があまりなかったですし、総合病院で働いている時も、透析治療は特別なもので、働く機会もありませんでした。
駒ヶ根共立クリニックで働き始めた時は、機械操作をしていると自分が看護師ではなくなったような感じもありました。とにかく仕事を覚えるのに必死でした。
−それが変わってきたのですね。
(浦野さん)
必死で覚えながらも、合併症などについて理解する内に、腎臓はすごい臓器だなとあらためて思いました。
また、透析治療は、命ある限りお付き合いをしていく治療で、長期になれば合併症もでてきます。週3回の透析治療をしながら合併症とも闘っているわけです。どんな辛い症状があろうと透析治療を休むわけにはいきません。
常にそういうものを患者様は抱えながら治療しています。
だからこそ、私たち看護師ができることもたくさんあり、奥が深い医療だなと思いました。
−看護師さんとして、一番力になりたいとお考えのことは何ですか。
(浦野さん)
1回の治療に4〜5時間。20〜30年という長い治療です。その間、食事制限や解決しにくい痛みや痒みなどもあります。
そのような患者様をあたたかく迎え、治療をして、ご自宅に帰っていただける「あったかい透析室」にしたいと思っています。
−あったかい透析室。
(浦野さん)
はい。
透析室に来て、データだけを詰め込まれたり、機械操作だけで治療をやってしまうという冷たい透析室にしたくないです。パソコンのデータだけを見て一方的に行う治療でなく、透析室におみえになった患者様がホッとするような治療ができればと思います。
医療だけではなく、看護師として何か透析治療中にできることがあると思いながら看護をしています。駒ヶ根共立クリニックが取り組んでいる川柳もその1つだと思います。
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