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新しい医療技術に取り組む中津川共立クリニック。シャント管理の重要性と課題、そして野溝部長が中心となって独自に開発し、学会でも優秀賞を受賞したシャント狭窄評価方法についてお話をうかがいました。

(1)シャントの状態が悪くなると透析効率が悪くなる理由

−こんにちは。よろしくお願いします。

(野溝部長)
こんにちは。よろしくお願いします。

−中津川共立クリニックで行われている最先端の透析医療の中でも、とくに「シャント管理」について教えていただきたいと思います。まずは患者様にとっても透析治療にとってもシャントはとても大事なものだとうかがいました。その理由を教えてください。

(野溝部長)
まず、誤解のないようにお話しておきますと、シャント内の血液の流れが悪くなってしまうと透析治療が出来ないということではありません。
しかし(シャント内の血液の)流れが悪くなることで、透析の効率そのものが悪くなってしまうということが起こってきます。
効率が悪くなってくるということは、老廃物、毒素が身体の中に残ってしまうことになります。

−それは大変なことですね。

(野溝部長)
そうです。具体的な数字を示してお話ししましょう。
シャントのところに通常0.7リットルの血が流れていると仮定しましょう。そこから血液を引っ張り出して、人工腎臓に1分間に0.2〜0.3リットルの血液を流して、血液内の老廃物、毒素を除去して、身体に戻しています。これが「血液が正しく循環している状態」と思って下さい。

−はい。

(野溝部長)
しかし、シャントの狭窄が起きてくると、シャントの流れが0.7リットルあったものが半分以下になってしまう人もいます。こうなってしまうと、人工腎臓に十分な血液を流して治療が出来ないことは容易にご想像いただけると思います。

−はい。よくわかります。そうなっても、血液を引っ張り出して、キレイにして、血液を戻すという血液の循環はうまくいくのですか。

(野溝部長)
ええ。そこが問題です。
血液を引っ張り出すことが十分に出来ないと、身体に戻すべき血液を、逆に人工腎臓に引っ張り込んでしまうという「再循環」ということが起きます。
こうなると、老廃物、毒素を除去しなければならない血液を、十分に人工腎臓にまわすことができなくなってしまいます。当然、血液内の老廃物、毒素を十分に除去できません。
もし、これに気がつかないと、時間通りの透析治療をやって、血液が設定数値通りにまわったのに(そう見えているだけですが)、体調が良くならないということが起こりえるのですね。

−それは避けたいことですね!

(野溝部長)
はい。おっしゃる通りです。
シャントが悪いことで、老廃物、毒素の除去不足がおこると、体調を示す様々なデータが悪くなってきます。
さらに、その透析効率が悪いことに気がつかない、または一部のデータだけをみるような経験不足のスタッフが関わってしまうと、患者様に対して必要のない食事制限を強いることにもなりかねません。

−患者様も一生懸命に自己管理をしているのですから、それは重大なことですね。

(野溝部長)
そうです。
患者様は本当によく努力されているのに、「データが悪いのでもっと控えてくださいね」というように患者様の生活に更に負荷を掛けることがあってはなりません。

−なるほど。そのためにも、シャントが良い状態にあることはとても大事なことなのですね。


(1)シャントの状態が悪くなると透析効率が悪くなる理由

(2)シャントの狭窄を検出することは難しい

(3)VASPはシャントの狭窄を90パーセント以上の確率で検出






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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(2)シャントの狭窄を検出することは難しい

 
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