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中津川共立クリニックでは、患者様のために行っている透析医療の研究活動をまとめて、学会等に発表することを積極的に行っています。「ポケットLDFを使用した45°下肢拳上試験によるPADスクリーニングの考案」という研究を行った渡邉篤史さんにお話しをうかがいました。

(1)患者様の足をお守りするための新しい検査方法を考案

−こんにちは。よろしくお願いします。

(渡邉さん)
こんにちは。よろしくお願いします。

−今日は渡邉さんがメンバーの一人として行った「ポケットLDFを使用した45°下肢拳上試験によるPADスクリーニングの考案」という研究活動について教えてください。

(渡邉さん)
PAD(末梢動脈疾患:peripheral artery disease)の診断方法として「Ratschowテスト」というのがあります。
下肢を90度に挙上させて足の色を見る検査なのですが、検査をする人の「感覚」で判断することになってしまいます。
ポケットLDFという機器を使用する下肢挙上試験を試み、足の状態を数値化して客観的に評価できるようにする研究を行いました。

−確かに足の上げ方、色の判断等を統一するのは難しそうです。

(渡邉さん)
足の血流に問題を抱えている方が多いので、できれば全ての患者様にしっかりした検査を実施し、足の状態をきめ細かく把握しておきたいのですが、曜日や時間帯で担当の医師が変わることもありますので、一人で全ての患者様の足をチェックするのは不可能です。
患者様の足をお守りするためにも、個人の主観でない客観的な指標で、誰がやっても正確なデータがとれる方法が必要でした。

−足を高く上げるのが大変だと感じる患者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

(渡邉さん)
はい。90度という角度は結構苦しいものです。
特に高齢の方にとっては「えらいよ(大変だよ)」と感じる方が少なくありません。
60度でも大変だという方もおみえですので、最終的には45度で実施出来るようにしました。

−足を上げて色を見る検査というのはシンプルで良い方法だと思いますが、大勢の患者様に対して、精度の高い検査を一斉に行うのは大変なことなのですね。

(渡邉さん)
はい。検査に関わる全てのスタッフが同じ目標を共有して、しっかりと計画を立てて、同じ条件で同じようにデータをとることからはじめました。
ポケットLDFを使用した検査というのは、初めての試みだったので、試行錯誤する毎日でした。

−「この方法ならしっかりと検査できる!」と確信できたのはいつ頃ですか。

(渡邉さん)
血流の悪い患者さんを見つけることが出来た時ですね。
ポケットLDFを使用した検査で血流が悪いと判断した患者様に対して、全国的に行われているフォルム(血圧脈波検査装置)を使用した検査を行ってみると、確かに血流が悪くなってきていることが確認できました。
しかも、日本透析学会のガイドラインに掲載されているABI・TBIの感度よりも高い、つまり、検査としての精度が高くて、早期の発見が期待できることがわかりました。
これは、自分自身でも驚きました。

−早期発見ができれば、素早い対応も可能になりますね。

(渡邉さん)
はい。治療が遅れるほど、治りは遅くなってしまいます。出来るだけ早く発見して、生活改善やお薬での治療、場合によっては血管を拡げる治療などをする必要もあります。
今回研究した「ポケットLDFを使用した検査」は、検査結果が正確で、早く見つけることができるだけでなく、検査を効率的に実施できる上、ポケットLDFが安価な機器だというメリットもあります。
患者様の足をお守りするための検査として、優れた検査だと考えています。

(1)患者様の足をお守りするための新しい検査方法を考案

(2)この研究が患者様のためになっている!という実感があった






 

 

 

 

 

 

 



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(2)この研究が患者様のためになっている!という実感があった

 
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