透析施設で働くのは初めてという看護師の高橋美華さん。ご自身の看護観や患者様との関わりについてお話を伺いました。
(3)患者様にとっての「その人らしい生活」を実現していきたい
−ところで、高橋さんは日本にいなかった時期があったとか。
(高橋さん)
1年間、カナダのトロントに行っていました。ご高齢の方がきれいにマニキュアをしていたり、お洒落をして、とても自由に生活を楽しんでいたのが印象的でした。
「その人らしい生活ができること」の大切さを感じました。
−それは、高橋さんの看護感とも繋がっている部分があると思いますが。
(高橋さん)
そうですね。繋がっていると思います。
病院での仕事に戻った時に、この患者様は本当はこういうことがしたいんだろうな、その人らしい生き方ってこうなのかもしれないなと思うことがありました。
−それを知っているのと知っていないのとでは、看護が変わってくるもあるのでしょうか。
(高橋さん)
はい。私はそう思っています。
私も自信があるわけではないのですが・・・。数字的に正常値であったり目標の数値を達成することが大事だとは思いますし、患者様がその人らしく生活できることも同じように大事だと思っています。
たとえば、透析治療を受けている方は、カリウムやリンの値を考えた食事管理が必要で、チーズを控えて頂きたい患者様もおみえです。しかし、チーズがとてもお好きで我慢できそうにない方に「チーズは絶対に食べては駄目ですよ。」と言ってあきらめてもらうのではなくて、少しはチーズを楽しめるように一緒に考えていける看護師になりたいと思います。
−なるほど。そのためには専門的な知識が必要なのでしょうね。
(高橋さん)
そうなんです。
知識がなければ、質問をされてもどうしようもなくて、患者様と「そうなんだ、辛いね。」と残念な気持ちを共有することしか出来なくなってしまいます。
−共感できることは大事だけれども・・・。
(高橋さん)
はい。そこにプラスアルファーとして「じゃあ、こうしてみたらどうかな?」と提案が出来るように、もっと勉強しなければいけないと思います。
また、患者様がやりたい通りにやるばかりでなく、そこに潜んでいる危険なことを察知して、きちんと説明できなければいけないと思います。
−それが患者様の「その人らしい生活」が出来る可能性を拡げていくお手伝いになるのでしょうね。
(高橋さん)
はい。そのためにも、普段からしっかりとコミュニケーションが取れていて、信用される看護師でありたいと思います。
−これからも頑張って下さい。今日はありがとうございました。
(高橋さん)
こちらこそ、ありがとうございました。 |