看護部長の野溝明弘さんに、中津川共立クリニックの職場が大事にしているものについてお話しを伺いました。
(2)人を教えていって、人が育っていくのを嬉しいと思える職場です
−中津川共立クリニックさんには、看護師さん、臨床工学技士さんをはじめ、医療事務さん、看護助手さんなど、資格の有無に関わらず、それぞれの仕事を認め合って仕事をしていると感じました。さまざまな専門職が一緒に仕事をしていくのは難しいと思うのですが、どのようにまとめているのですか。
(野溝部長)
実は、それほど難しいことではないと思っています。
資格があったとしても、自分の資格の中で出来る事は限られています。資格が無ければ出来ないこともたくさんありますが、資格が無くても出来る事はたくさんあります。
資格の有無に関係なく、患者様のために出来る事を自分で探して実践していくことは皆同じです。
たとえば、看護師が患者様に処置をしている後ろで、看護助手が処置で出た廃棄物を片づけてくれています。
それぞれの役割をしっかりと果たしてくれているからこそ、中津川共立クリニックは、患者様のための良い医療を提供できています。
−長年、一緒の仕事をしているとマンネリ化してくる心配もあると思います。そのためにもスキルアップや新しい取組による刺激も必要だと思います。どのような取組をされていますか。
(野溝部長)
スキルアップのために勉強することも新しい取組をするにも、職員への動機付け、きっかけ作りが大切だと考えています。
たとえば、中津川共立クリニックは、透析医療における最高レベルの実現や、地域で一番の医療サービスを提供することを目標としています。そのために、患者様のさまざまなデータの分析力を高めるための勉強会を開催し、治療の評価をきめ細かく行い、スタッフ間で共有・改善し、それらを研究成果として発表することを徹底して実践しています。
常に患者様と向き合って、高い目標を持って仕事をしていますので、マンネリ化しにくい環境になっていると思います。
−なるほど。患者様をもっと良くしていきたいという気持ちがあると、勉強をしたり、新しい事に取り組むことを自然に行っていくのですね。
(野溝部長)
そうですね。
患者様をきめ細かくみさせていただくと、常に発見があります。私は30年程、透析医療に携わっていますが、今も日々発見の毎日です。
わからないこと、発見したことは、看護助手さんも一緒にミーティングをして共有します。看護助手さんの経験の中に解決のヒントがあるかもしれません。
それをクリニック全体で継続していくことが、医療の質の向上に繋がっていくのだと考えます。
−業種に関係なく、一生懸命に仕事に取り組む人に「そんなに頑張らなくても・・・」という雰囲気を出して、全体を停滞させてしまう職場があると聞きます。職場が、仕事に真剣に取り組むことに価値があることを共有することは大事なのでしょうね。
(野溝部長)
私もそう思います。
一生懸命に仕事をしている人が冷ややかに見られのではなくて、一生懸命に仕事をしている人が一目置かれて「あの人を見習ってみよう、あの人に教えてもらおう。」という職場であり続けたいと思います。
−そのためには、教えることの大変さ、教える人のご苦労も理解する必要がありそうです。
(野溝部長)
はい。教えてもらう側、教える側のどちらが大変かといえば、まちがいなく「教える側」が大変だと思います。時間だけでなく、気持ちを含めてのエネルギーを費やしますよね。
だからこそ「教える意義」も共有する必要があります。
−教える意義とは何ですか。
(野溝部長)
患者様に良い医療を提供するために教えるということです。
私一人が良い医療を10人の患者様に提供することは出来るかもしれませんが、160人の患者様には不可能です。できるだけ多くの職員が成長して、より良い医療を、より多くの患者様に提供できるようにするためには「教える」というのはとても重要です。
−教えることが、良い医療の提供に繋がっている。
(野溝部長)
はい。それがわかっていれば、先輩が後輩に教えることは意義があることだと容易に理解できます。
実は、患者様にとってだけでなく、自分にも返ってくる事になります。安心して任せられる仲間がいれば、お子さんが体調を悪くしたり、家族で旅行に行こうと思ったときに、仕事を休む事ができます。
中津川共立クリニックは、人を教えていって、人が育っていくのを嬉しいと思える職場になっていると思います。 |