合併症対策室

心臓の病気は直接生命をおびやかすので、早く発見し、早く治療することが大切です。そのために、偕行会グループでは定期的に心臓の検査を行っています。

心臓超音波検査

体の表面から超音波を心臓部にあてて、心臓の形や動きを調べます。痛みもともなわず、診断の精度も高いので、初期の検査としてはもっとも重要な検査です。

心臓超音波検査

トレッドミル負荷心電図検査

狭心症は、運動時などに心臓に負荷がかかるとよく起こります。この検査は、心電図の電極を付けたまま、回転するベルトの上を歩いて負荷をかけ、心電図の異常を発見する検査です。安静時に行う通常の心電図検査に比べ、狭心症の発見率はぐっと高くなります。

トレッドミル負荷心電図検査

マルチスライスCT検査心臓カテーテル検査

近年、新しく開発されたマルチスライスCT装置により、心臓の冠動脈撮影が可能となりました。心臓カテーテル検査をしなくても冠動脈の狭窄や閉塞の診断が可能であり、狭心症疑いの方や治療後の定期検査として受けていただけます。

冠動脈3D撮影

心臓カテーテル検査

この検査では、カテーテルを通して造影剤を心臓の中に注入し、冠動脈の狭窄の程度や心臓の動きを調べます。狭心症と心筋梗塞の診断には最も有効な検査です。検査だけであれば日帰りで行うことも可能です。

心臓カテーテル検査

私たちが定期的に心臓の検査を行っているもう一つの理由は、透析を受けている方(特に糖尿病の方)では感覚神経機能が低下しているため、冠動脈がつまっていても、胸の痛みをともなわないことがあるからです。実際、私たちが心臓カテーテル検査を行って冠動脈の狭窄が確認された方の約 4割は痛みの自覚症状のない方でした(図 3)。つまり、この4割の患者様は、定期的な心臓の検査によってはじめて異常が発見された方で、もしも定期的な検査を行っていなければ、そのまま悪化するまで放置されてしまうことになります。定期的な心臓検査の大切さを、ぜひご理解下さい。

(図 3) 自覚症状をともなわない狭心症の割合